遺族年金制度の見直し案に思うこと(2024.8.3)
NHKでも報道されていたが、厚生労働省は、遺族年金制度の見直しを検討中らしい。7月30日の社会保障審議会年金部会の資料が公表されている。https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001281516.pdf確かに、夫が働き妻が家を守るという形が時代にそぐわないものになっていることは理解できる。子に対する遺族基礎年金の支給停止の見直し、これも分かる(誰が、支給される年金を管理するのか、という話はさておき)。しかし、現実には男女の雇用機会・条件、賃金格差は存在するし、収入のある夫の場合メリットは低いように思う。1つは、子の遺族基礎年金の見直しと、遺族厚生年金の見直しとが、一括りになってしまっていること。元々目的の違うものが「時代の変化」という同じ土俵に上げられてしまっているように感じてしまう。もう1つは、国はこれからの「家族の形」というものをどう考えているのか見えない、ということ。「扶養」という考え方に代表されるが、様々な法律・制度が、古典的な家族の形で形成されている。今回の見直し案もそうだが、国は、これからの時代の「家族の形」をどのように考えているのか、それが全然見えてこないのである。もしかしたら、厚生年金適用拡大、さらには少子化対策と同じベクトルではなかろうか、という気がしてならない。
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